礼文島→利尻島
稚内から礼文島に行く予定だが,朝のフェリーには乗らず、とりあえずノシャップ岬を見学することにした。
北海道には似たような地名がいくつかある。ノシャップと納沙布、屈斜路湖とクッチャロ湖。江差と枝幸(どちらも、えさし)など。
ノシャップ岬は,ちょっとしたモニュメントといくつかの食堂、売店があるだけで地味な場所だが、かえってさいはて感を醸し出していた。
土産屋の2階で500円の朝定食を頼む。
こっちにきて焼き鮭を初めて食べたが、よくある塩っ辛い薄っぺらい鮭ではなく、とてもふっくらしておいしかった。
魚は日替わりらしいが、そこそこ量もあって安くておススメ。
ノシャップ岬の売店で思わずメロンキャラメルを買ってしまった。
男爵芋キャラメルやジンギスカンキャラメルも売っていた。
アレは果たして美味いのか?ネタで買っておくべきだった。
その後,礼文島へフェリーで渡る。
自転車をパッキングしている人が結構多くて驚いた。利尻島も礼文島も一日で自転車走破できる大きさなので、サイクリングには絶好の場所なのだろう。
輪行袋に入れれば手荷物料金として400円位ですむが、分解せずそのまま持ち込んだら1000円以上かかる。
貧乏な自分としては分解すべきだろうが、リアキャリヤやテント、寝袋をいちいちはずすのがめんどくさかったのでそのまま持ち込んでしまった。
香深港に降りたときはもう夕方だった。いそいで島の真ん中付近にある緑ヶ丘キャンプ場へと急ぐ。
ここは森の中にあってとても静かな場所。しかも利尻や礼文にはもともとヒグマ、マムシがいないそうなので安心。
このキャンプ場、有料だが、スノコで地面から高くした6つほどのテントサイトがあり、雨の日などは重宝するだろう。
もちろん芝生部分にテントを張ることも可。
港近くの食堂まで自転車で戻ってほっけ定食を食べる。900円。
おばあちゃん独りで切り盛りしていた。
味付けが違うのか、飲み屋で頼むようなほっけとは一味違った。
礼文島は花や高山植物で有名であり、これらは6月ごろが最盛期らしい。
どおりでちょっと観光客が少ないわけだ。
ただ、食堂のおばちゃんは、観光客が年々減っていると愚痴をのたまっていた。
また,キツネなどの獣も駆除した結果「島には何にもなくなった」と嘆いていた。
この日は風が強く、食堂から帰るとスノコの上のテントが飛ばされていたので、自分も芝生部分にペグを深く固定してあらためてテントを張った。
朝早く出発したが、ウニの殻を踏んで二度目のパンク。3日で2回だ。せっかくチューブを新調したのに…。稚内で予備のチューブを買っておいてよかった。
言い訳すると、カラスがウニや貝やらをわざと道路に置いて自動車などに踏ませて、割れた中身を食べるらしい。だからウニの殻がたくさん落ちている。
ロードなんかの人は空気圧に十分注意してほしい。
そんなこんなで朝から修理で疲れてしまったが、ほどなくして「最北限」のスコトン岬に到着(最北端ではない)。
ちなみに,宗谷岬とはほとんど緯度に差がないらしい。
向こうに見えるのはトド島と呼ばれる無人島。
この先にも歩いて行けるが自転車ではここまで。
この下のほうに民宿があるのには驚いた。おそらく日本最北端の民宿ではないか。
「石を投げないでください」との立て看板があった。たしかにこの位置からは民家があるとは気づかないだろう。
突風吹きすさぶスコトン岬からちょっと戻って、今度は澄海岬に向かう。
曇り気味だった空も青空に戻ってきて、海の色も映えるだろうと期待。
途中で,礼文島特有の雄大な丘を超える。
いくつかの丘を越えて、いくつかの観光バスに追い抜かれて、漁港の間を抜けて汗だくで到着。
ここの海は本当に綺麗だった!!
青空だったことで海の色が映えたこともあるのだろうが、まるで南の島のよう。
残念ながら下のほうまで降りることはできないが、来た甲斐があったと思った。
観光客もここが一番多かった。
「自転車で苦労してたどり着いた自分が一番感動を味わえる!」とわけのわからない優越感に浸ることがよくある。
ここには売店があったので,腹が減って気の向くままに注文。
タコのちゃんちゃん焼き。200円。
たこざんぎ。から揚げっぽいタコ串。200円。
いも串。200円。ほのかに甘い。
もくもくと食べていると,東京から観光に来た夫婦に声をかけられる。
キャンプ旅だと告げると、深刻そうに「お風呂は?」と聞かれた。
そんなに臭かったかな?
「温泉に毎日入ってます」と答えると安心したようだった。
バスの観光客がいなくなると一気に人気がなくなる。
観光地なんてどこもそんなものだ。
利尻行きのフェリーに乗るため飛ばす。
ウニを踏まないように。
礼文島の海岸線。リアス式だ。こんな感じで、緑の崖のすぐ下を道路が片側一車線の道路が通っている。
落石被害を防止するためのトンネルが結構ある。
ただ、車道と広めの歩道が分離しているので自転車でも怖くはない。
礼文島で大体見るべきところは見たので、そのままフェリーで利尻島に向かう。
ここでも自転車はそのままの状態で積み込む。
ただ、この路線は短いので、分解して輪行袋に入れても手荷物料金はそれほど変わらない。
甘露湧水。鴛泊港から近いと思いきや、きつい坂をだらだらと登った。北麓野営場のさらに上にある。登山者も水分補給する場所。
名前ほど水は甘くはないが、ここに来る時点でだいぶ汗をかいているので、必然的に美味い。
でも帰りは下りなので楽。
途中からサイクリングロードに合流して、西の沓形岬キャンプ場へと向かう。
利尻サイクリングロードから見える利尻富士。
稚内に向かうオロロンラインで遠くに見えた利尻富士を、いまこんなに間近で見ている。
今日は比較的雲が少ないのでよく見えた。
25キロほど続くサイクリングロード、気持ちよく走れた。
途中で数人の地元民にあったが、基本的に人は少なかった。
ところどころかもめの大群が居て、糞に注意の看板がある。
たしかに地面は糞で白くなっていた。
車道に合流したり横切ったりする地点が多くあるので、一時停止は怠るなかれ。
サイクリングロードで多少迷ったりしたけど、沓形岬に到着。
まだ早いが近くの温泉に入ることにする。
ここのキャンプ場には数人のバイカーがすでにテントを張っていた。
夜になると役場の人が300円の料金を徴収しに来る。こういうパターンは初めてだったので、テントの外から声を掛けられてちょっとびびった。
夕日が間近で見られるし、留萌の黄金岬キャンプ場と違って広いので、総合的にみてなかなか良いキャンプ場だった。
沓形岬近くのホテル利尻に、無料の足湯が開放されている。
地元のお母さんが子連れで来たりしている。寒いときにはいいかもしれない。
自転車に乗るとどうしても足の筋肉が疲れるので、足湯は気持ちいい。
沓形岬近くの食堂でまたもやほっけ定食。
1500円はちょっと高いのでは…。
おいしかった。つーか腹へってれば何食っても美味い。
風呂に入って飯食ってキャンプ場に帰ってみたら、もうすぐ日が沈むところだった。
あわてて携帯を出して一枚撮る。
利尻島、沓形岬のキャンプ場を出発。
少し行くと、観光パンフにあった寝熊の岩、人面岩を発見。
人面岩はイマイチだったが、寝熊の岩はたしかに寝ている熊のようだった。
麗峰湧水という湧き水があったので水分補給する。朝早かったが、ポリタンクを持って水を持ち帰っているおじさんに会った。
あんぱん三個いりをここで一気に食べる。
こんなことするから,自転車に乗ってるのにいつまでたっても痩せない。
オタトマリ湖に到着。途中で追い抜かれた観光バスの乗客に声を掛けられる。
もう慣れてきたので、矢継ぎ早の質問にもよどみなく答える。
おじさんおばさんにしか声を掛けられないのは残念だ。
この湖は周囲を10分ほどで回れるお手軽スポット。
熊笹とハマナスのミックスソフト。
どっちの味も美味かった。
あわせて食ったらまずかった。
姫沼。鴛泊港から歩いていける距離にある湖。
オタトマリ湖よりも大きいが、ここも歩いて20分ほどで一周できる。
近くの展示場にある利尻の写真も素晴らしい。
ただ、ここに来るまでかなりの急勾配を登ることになる。自分は反時計回りでサイクリングロードを利用してきたがそれでも結構疲れる。自転車で港側から時計回りで来る場合は覚悟したほうがいいだろう。
姫沼をちょっと下ったところにある、姫沼展望台。
鴛泊港の方向を撮ったもの。
中央の客船がずっと停留していたのだが、なんだったんだろう?
フェリー待ちで食べたタコ刺し700円。
この量ではさすがに高い。
ペシ岬。民家の近くを抜けて到着。
う~ん、結構しょぼいな…。やっぱり上に登ってこそ岬を実感するんだろうか。
夕陽ヶ丘展望台。鴛泊のやや西側にある展望台。
階段をだいぶ登る。
見晴らしはすごくいい。この日は曇りだったので利尻富士は隠れてしまっていた。
風が強い。
この日はフェリーで稚内へ戻り、前回と同じ民宿