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龍門司坂(たつもんじざか)

龍門司坂は、鹿児島県姶良市加治木町にある、江戸初期に作られた石畳の坂である。



江戸の昔、薩摩から福岡に抜ける「薩摩街道」には、主に、出水筋(別名 西目筋)、高岡筋(別名 東目筋,日向筋)、大口筋の3つがあった。
このうち出水筋は九州の西海岸(鹿児島~伊集院~串木野~川内~阿久根~出水)を抜ける道で、現在の国道3号線とほぼ一致する。
高岡筋(日向筋)は錦江湾をぐるっと時計回りし、都城~宮崎に抜ける道で、現在の国道10号線とほぼ一致する。
残る大口筋は、途中まで高岡筋と同じ道のりで、加治木で分岐して溝辺~栗野~大口(伊佐)と経由する。分岐直後の最初の難関がこの龍門司坂であった。
粘土質の土壌は崩れやすく長きにわたり旅人を苦しめていた。
1635年、島津家により1.5Km区間が石畳造りに整地された。つまり,400年もの間,この坂は当時のままの姿を保っている。
現在はこのうち500m区間が残るのみ。
篤姫坂本龍馬西郷隆盛なども通った由緒正しい道である。


木漏れ日の中で苔むす石畳は緑の絨毯のようだ。


整然と並ぶ石畳


表面だけでなく内部も重厚に石が積まれているのが分かる。


途中で野生?の鶏に遭遇。3羽ほどいた。親子かも。


石畳のあいだから新たな息吹が。



①歴史、②勾配、③つづら折り具合,④道の造り、⑤雰囲気のどれをとっても、坂マニアを唸らせる一級品の坂である。
今回の探訪は,案内板に沿ってバイクで進んだところ坂の一番上に到着したので、そこにバイクを停めて坂の一番下まで下ってみた。
たかが500m、下りは楽勝である。しかし、当然帰りは上り。日頃の運動不足がたたり滝のような汗をかいてしまった。しかも10月なのにこの日の気温は32度だった。
表面は苔によって非常に滑りやすくなっている。雨の日は一段と注意が必要だろう。
なお,姶良市脇元には,白銀坂(しらかねざか)という,これまた大口筋上の由緒ある坂が存在する。近々来訪予定。

再びバイクに乗って国道10号線で帰路につく。風で、汗が一気に引いていく。
雨が空気を洗ったので、遠くの桜島まではっきり見通すことができた。